青色申告と白色申告でソフトに求められる機能の違い
結論から言うと、青色申告を選ぶなら「複式簿記に対応したソフト」が実質的に必要で、白色申告なら簡易な記帳機能があれば足ります。この違いは、確定申告ソフトのプラン選びに直結します。この記事では、国税庁の公式ページにもとづいて青色申告と白色申告の記帳義務の違いを整理し、ソフトを選ぶときに確認する点をまとめます。
青色申告は原則として複式簿記が必要
国税庁の「No.2070 青色申告制度」によると、青色申告の記帳は「年末に貸借対照表と損益計算書を作成することができるような正規の簿記によることが原則」とされています。一般的には複式簿記のことです。ただし、「現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳のような帳簿を備え付けて簡易な記帳をするだけでもよい」場合もあると説明されています。
確定申告ソフトを選ぶ場合、複式簿記での記帳に対応しているか、銀行口座やクレジットカードの明細から自動で仕訳を作れるかが、入力の手間を左右します。
青色申告特別控除は記帳方法と申告方法で金額が変わる
国税庁によると、青色申告特別控除は正規の簿記により記帳した場合に「最高55万円を控除する」のが原則です。さらに、電子帳簿保存またはe-Taxによる電子申告を行うと「最高65万円の青色申告特別控除」が受けられます。複式簿記以外の簡易な記帳の場合は「最高10万円」です。
つまり、65万円の控除を受けるには「複式簿記での記帳」と「電子帳簿保存またはe-Tax申告」の両方を満たす必要があります。確定申告ソフトを選ぶときは、電子帳簿保存やe-Taxでの電子申告に対応しているプランかどうかを確認する必要があります。マネーフォワード クラウド確定申告は、無償利用状態(無料)では電子申告に対応する確定申告書の作成ができず、有料プランへの契約が必要です。各社の無料プランの範囲は、確定申告ソフトの無料プランでできること・できないこと一覧で整理しています。
白色申告にも記帳・帳簿保存の義務がある
国税庁の「No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」によると、白色申告者も記帳義務・帳簿等保存制度の対象です。不動産所得・事業所得・山林所得のある人は、売上げなどの収入金額、仕入れや経費に関する事項について、取引の年月日・相手方の名称・金額を記帳する必要があります。収入や必要経費を記載した帳簿は7年間、その他の帳簿や請求書などの書類は5年間の保存が義務付けられています。
ただし白色申告は、青色申告と違って「日々の合計金額のみをまとめて記載するなど、簡易な方法で記載してもよい」とされています。青色申告のような複式簿記までは求められません。
青色申告承認申請には期限がある
国税庁によると、青色申告をするには事前の申請が必要で、期限は原則として「青色申告をしようとする年の3月15日まで」です。新規開業の場合は「業務を開始した日から2か月以内」に申請します。今年から青色申告に切り替えたい場合、この期限を過ぎていないかを先に確認してください。
ソフト選びで確認する3点
国税庁の情報を踏まえると、確定申告ソフトを選ぶときは次の3点を確認することになります。
- 複式簿記での記帳に対応しているか(青色申告で65万円控除を狙う場合)
- 電子帳簿保存またはe-Taxでの電子申告に対応したプランかどうか
- 白色申告のみで済む場合、無料プランの範囲で足りるか
今回調べた5製品のうち、無料プランのまま白色申告の確定申告書作成・提出まで対応しているのは「やよいの白色申告 オンライン」のセルフプランでした。詳しくは確定申告ソフトの無料プランでできること・できないこと一覧を参照してください。
この記事は国税庁の公式ページに書かれている制度の一般的な説明にとどめています。「自分は青色申告と白色申告のどちらにすべきか」「この経費は控除の対象になるか」といった個別の判断は、税理士または税務署にご相談ください。
参考にした情報(2026年9月19日確認)
- 国税庁「No.2070 青色申告制度」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm
- 国税庁「No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2080.htm
制度の内容は税制改正で変わることがあります。申告の際は国税庁の公式サイトで最新の情報をご確認ください。